塔山 郁「毒殺魔の教室」
第7回このミス大賞の優秀賞受賞作。ざっと粗筋を言うと、様々な視点から、30年前の事件の真相を暴いていく話です。
湊 かなえの「告白」と比較されているみたいですが、穿つことなく面白いと思います。回想と証言を基に展開していく訳ですが、皆、よく覚えている事に驚きです。まあ、クラスのヒーローが死んだ訳だから事件そのものは忘れようは無いでしょうが。
小学校時代の友達の名前とか覚えてる?
いや、全く。もしかして近所に住んでるかもだけど、全然解らないな。話を戻すけど視点が変われば同じ場面、クラスメイトの見方がこうも違うというのも面白いね。
当たり前の事だけど、文章にすると全然違うね。書き方が上手い。
女子対決も見物だね。途中で解るんだけど、ラストの大人になってからの対決も見応えあり。最後の台詞「あなたに会えて良かったわ」これが効いてるね。
その台詞でドロドロした灰汁が掬い取れた感はあるよね。
「告白」と比較せずに読んでいただきたい本です。ただ、リアリティは感じません。評価は★★