塔山 郁「毒殺魔の教室」

 

毒殺魔の教室

毒殺魔の教室

 

 

f:id:kusemono88:20140406175123j:plain第7回このミス大賞の優秀賞受賞作。ざっと粗筋を言うと、様々な視点から、30年前の事件の真相を暴いていく話です。

湊 かなえの「告白」と比較されているみたいですが、穿つことなく面白いと思います。回想と証言を基に展開していく訳ですが、皆、よく覚えている事に驚きです。まあ、クラスのヒーローが死んだ訳だから事件そのものは忘れようは無いでしょうが。

f:id:kusemono88:20140406175344p:plain小学校時代の友達の名前とか覚えてる?

f:id:kusemono88:20140406175123j:plainいや、全く。もしかして近所に住んでるかもだけど、全然解らないな。話を戻すけど視点が変われば同じ場面、クラスメイトの見方がこうも違うというのも面白いね。

f:id:kusemono88:20140406175344p:plain当たり前の事だけど、文章にすると全然違うね。書き方が上手い。

f:id:kusemono88:20140406175123j:plain女子対決も見物だね。途中で解るんだけど、ラストの大人になってからの対決も見応えあり。最後の台詞「あなたに会えて良かったわ」これが効いてるね。

f:id:kusemono88:20140406175344p:plainその台詞でドロドロした灰汁が掬い取れた感はあるよね。

f:id:kusemono88:20140406175123j:plain「告白」と比較せずに読んでいただきたい本です。ただ、リアリティは感じません。評価は★★