奥泉 光 「 シューマンの指 」

シューマンの指 (講談社文庫)

シューマンの指 (講談社文庫)

 

 

正直、読むのが苦痛でした。

音楽、クラシックを演奏される人か、聴く人なら前半の長い長いシューマンの音楽観を理解、あるいは共感されるのかもしれないが、発想記号やら、イ長調、コーダとか言われても、さっぱわかんねーです。

こちとらクレッシェンドは段々、低くしか知らねえよ。しかも、間違ってたし。正解は段々、強くでした(失笑)

後、感嘆符を使いすぎているのが非常に甚だしいとこです。最も、これは私個人の意見ですが、感嘆符は文章に取り入れるべきではないと思っています。

違和感がありませんか?

 

中盤、辺りでいきなり事件が発生します。ようやく、話が動き出すのかと思いきや、しつこくシューマンの解説がまだ続きます。一体、私は何の本を読んでいるのでしょう。解らなくなってきます。

さらに中盤が進んだ辺りで、ひとつの疑問が生じるのですが、このまま私の思った通りの展開をされると間違いなく、この本は窓から投げられる運命にあります。そう、若かりし頃、貯めたお小遣いで買い、二時間後に窓から「ふざけるなー」と、投げられたスペランカーというゲームのように。

 

終盤からエピローグ。

話は一気に動きます。そこからは読みやすかったですが、最初から、そう書けよ、と私が編集なら言うてます。しかも。長々と綴られたシューマンのくだりは、全く生かされてないし。肝心の展開も、予想通りでした。だって、友人の恋人の振る舞いと、打ち上げ時の友人との落差が全然、腑に落ちないでしょ。これではミスリードは誘えない。

 

 

よって、この本の評価はスペランカーです。