梨木 果歩 「僕は、そして僕たちはどう生きるか」

僕は、そして僕たちはどう生きるか

僕は、そして僕たちはどう生きるか

 

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やあ。よかったら、ここにおいでよ。気に入ったら、ここが君の席だよ。コペル君14歳、考える。春の朝、近所の公園で、叔父のノボちゃんにばったり会った。そこから思いもよらぬ一日がはじまり…。少年の日の感情と思考を描く青春小説。

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やはり、著者はネイチャーな人だ。草花をこうまで小説として、文字におこせる人はそうは居ないんじゃないかな。

それはそれとして、この本は読者にメッセージを送り、そして応答を願う本であると感じた。幾つかのテーマが提示されているものの、著者のメッセージはひとつ。タイトルにあるように「僕は、僕たちはどう生きるか」だ。

 

ニワトリの話が非常に印象深い。集団心理の怖さ。特に学校という狭いコミュニティでは尚更だろうな。この話で主人公コペル君が囚われていた枷に気づくんだけど、ここに至ってのクダリが梨木果歩ならではだな、と思う。

そして「だから、お前は愛される奴なのさ」と、コペル君の友人は返す。ここに至るまで、どれだけの言葉と感情を飲み込んだんだろう。

この友人以外にも出てくる複数の人間の思想に触れ、コペル君は答えを出すのだが、それは簡単なようで難しい事だ。残念ながら、それが出来る人というのは中々居ない。

この本は「君たちはどう生きるか」という本が元ネタのようだ。

未読なので何とも言えないがレビューを見てると、本書に似た感じに受ける。しかも、児童書ということなので、いつか息子が手にする日を心待ちにして、敢えて今は読まない。

 

 

全く関係ない話だけど、自身が小学生の時に縁日のひよこ釣りでニワトリにまで育てた事があった。ひよこの内はあんなに可愛いのに、トサカが出ると何で、あんなに凶暴そうな面構えになるんだろうね。

当時、住んでた所は集合住宅だったもので、朝から鳴くニワトリに苦情が殺到。この本にもあったように当時、通っていた学校でもニワトリを飼ってたので、貰ってもらう事に。ひよこの時から餌をあげて育てたんだから、幾ら凶暴な顔になったとはいえ愛情はあります。しかし、子供にはどうする事もできません。何度、言い聞かせてもニワトリは朝、鳴くのです。うちのニワトリは毎朝、鳴きました。コッコー、言うてました。

泣く泣く学校のニワトリ小屋に入れます。環境が変わり落ちつかない、俺のニワトリ。授業中も上の空で、他のニワトリにイジメられてないかな。泣いてないかな。そんなことばかり考えてました。

だもんで給食を食べると速攻で、様子を見に行ったね。そんで愕然としたね。

 

どれが、俺のニワトリなのか分からない。あいつら、顔同じすぎ。

 

 

 

 

 

評価は☆☆