上遠野 浩平 「 私と悪魔の100の問答 」
私と悪魔の100の問答 Questions & Answers of Me & Devil in 100 (100周年書き下ろし)
- 作者: 上遠野浩平
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/10/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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タイトル買いです。
ほんとに後半の後半ですが、他シリーズの登場人物が出てきてるようで初見の人には何だコイツ? と、思われるでしょう。僕はそうでした。
前半、いかにも哲学っぽいやりとりがシャーマン・シンプルハートが繰る人形ハズレ君と主人公の女子高生クズっちとで、なされます。個人的にそういう、やり取りが好きなので期待値マックスで読み進めたのですが、なんのことはない。屁理屈と極論の堂々巡りに終始しました。いや、存外的を得てるなぁと思った所もいくつかあったけど、上手く丸めこめられている感じもする。
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ニワトリが先か、タマゴが先か?
つまり物事の始まりは原因が先か、結果が先かって話で、実のところの答えは簡単なんだ。ニワトリが先に決まっている。
生命発生の過程を考えてみればいいんだよ。最初はアメーバみたいな単細胞生物から出発したってことぐらいは知ってるだろ
分裂して殖える単細胞生物はタマゴを産まない。つまり、そっちが後、ということになる。アメーバが進化しまくって、その途中で子孫を育てる方法としてタマゴを生み出した訳だからな。
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兎角、クズっちのキャラとハズレ君が見事にキャラ立ちしてるので、そういうものだと楽しんで読むのが正解なんだろう。細けえことはいいんだよ。
そのまま終われば良かったんですが、前述したようにシリーズ物の世界観が唐突に突き出されます。システム? なんのことやら。
しかし、物書きはズルいよなぁ、とつくづく思います。
何がって? 屁理屈の飾り付けに長けてるところです。特に著者は高度レベルに達してる気がします。そう思わされるのが癪なところです。
文中に歴史上、最も流行したものは何だと思う? と、ハズレ君が問いかけます。
答えは神様だそうです。
評価は☆☆