真梨 幸子 「 インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実 」

 

殺人鬼フジコの衝動の続編です。

前作を読んでから、余り日が経ってない為、すんなり話しに入れました。

この話では誰が本当にフジコの両親と妹を殺したのか、サラっと語られます。ちょ、こんなに簡単に明かしちゃっていいのか、と少し狼狽させられました。

割りと伏線を上手く回収してます。「みっちゃん」のミスリードはよく出来てます。騙されました。が、負の連鎖を断ち切ったインタビュー役の吉永サツキの立ち回りが余りに出来すぎていて、感情移入は出来ません。義憤に駆られるのは解んだが。そこまで、正義感の強い人なのか? そう、読み進めていたらこれも伏線だったことにラスト3Pで気づかされます。

しかし、これは前後編に分けた方が良かったんじゃないのかな? いきなり、本作を読んじゃうと物語の濃度が薄れるよなぁ。

実際にあった北九州監禁事件をモチーフにしてるようで、物語に一層の怖さと不快感を味付けるのに一役買ってます。

 

本作の方がどちらかというと読み物として完成されてる気がします。

まあ、あくまで主観なんで。こまけえ事はいいんだよ。

 

まだ、不明な点が幾つか残ってるし、展開を含んだ締め方なので読後感はすっきりはしない。なので、評価は☆