伊坂 幸太郎「 死神の浮力」
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娘を殺された。
相手は二十五人に一人の、良心を持たない人間。
ーーーー犯人を追う夫婦と、千葉の七日間
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死神の精度に続く、調査員「千葉」の物語。
やはり、長編になると「千葉」のズレっぷりと淡々さが際立ちますね。
軸となる夫妻は余りに無力で、悲しくなる。同じ子供を持つ身としては凄く辛くなった。だからこそ、最後はしてやったりという感じだったが、まさかのオチがあって感嘆させられたが、ところどころ主眼が変わるのには若干、辟易させられた。
しかし、相変わらず伊坂は残酷な話を書く。
ほぼ、使い捨てに報われない人物が必ず出てくる。
それでいて、最後に滲むような気持ちになるのは、やはり伊坂幸太郎だと言うべきだろうか。
評価は★★